ドラクロワ夫は元FBI捜査官愛と笑いの結婚生活
夫は変わった経歴を持った方でした。
かつて働いていたのはFBIアメリカ連邦捜査局、テレビや映画でおなじみのあの組織だ!
麻薬犯罪の秘密組織を次々に摘発したすご腕捜査官だった。
ひょんなことから恋に落ちた二人、FBI捜査官との結婚で生活は本「ダンナ様はFBI」にもなり話題となった。
奥様の田中ミエさんは「とてもおもしろかったです。出会えてよかったなと思いますね。よく見つけてくれましたね。地球の反対側からやってきて」といっていました。
このお話しはちょっと変わったカップルのユニークな夫婦の物語です。
二人の出会いは30年前ある偶然な出来事がきっかけでした。
この日都内のホテルを田中ミエさんが訪れたのは広告のコピーや雑誌記事を手がける仕事をしていましたがアメリカの大手企業の経営者と打ち合わせに向かう途中行く手を阻まれた。
「最初この男と会ったときはわけも言わずに邪魔をするのでカチーンときました。ハラのたつ外人」と田中ミエさんはいっておりました。
数日後再びあのホテルに仕事で訪れるとまた彼がいた。
今度はにんまりと笑った。
実はこの男性FBI捜査官。
同じホテルに滞在中のアメリカ政府の要人の護衛をしていた。
この人が後に運命の人になるとは知るよしもなかった。
その日の晩に自宅に電話がかかって出ると外人からので電話だったので間違い電話だと思って切ろうとしたら「私たちは知り合いです。二度も会ってます。」
あの外人でした。
なぜ自宅の電話番号を知っているのかを訪ねると「調べるのは簡単なことです。この前はすみませんでした。」と数日前も無礼を謝る電話でした。
しばらくするとアメリカから手紙が届きました。
FBI捜査官を名乗る彼からの手紙でミエさんが忘れられなくて住所を調べて手紙を送ったそうです。
ミエさんはもしかしたら他の理由で狙われているとか、スパイの代役をやらされるんじゃないかとかひたすら妄想してました。
手紙にはこう書いてありました。
「小さな体で仕事を頑張るあなたを守ってあげたい。」
思わぬ彼からの言葉でちょっといい人に思えてきました。
数ヶ月後今度は手紙と一緒にテープが届いた。
彼の声とともにプレスリーのラブミーテンダーの曲が入っていた。
「I miss you とか I lobe you とか 僕の中であなたがいっぱいになっているとか言われ慣れないものですから映画を見ている感じにだんだん引き込まれてこちらもなんとなく気持ちが動いて 私この人好きかもしれないみたいになっていったような気がします」とミエさんはいってました。
彼からの手紙を心待ちにするようになったミエさん手紙を通じて気持ちをかよわせるようになった。
そして出会いから2年彼が東京にやってきた。
彼はミエさんの為にFBIを辞めて日本のアメリカ大使館で働く事を決めたという。
そして彼からの結婚のプロポーズに彼の一途な想いを受け入れる事にした。
まもなくふたりは結婚した。
ミエさん32歳、ジムさん43歳の時だった。
新婚生活がはじまるとすぐに妙な事をいいだした。
玄関の鍵をみたジムさんは「日本一の錠前師に鍵を替えてもらおう、昔逮捕した犯人が復讐しにくるかもしれない、君の安全のためさ」と言う。
ジムさんは愛するミエさんを守る使命に燃えていた。
外にのみに出かけた時もトイレの入り方までFBI流を教える始末。
①ドアの前では背中を見せずに
②周囲に不審者がいないこと確認
ミエさんが有名なアーチストにインタビューするのに自信がないなどと悩みを打ち明けると、ジムさんはFBI流のテクニックを教えてくれた。
①初対面で目があったら0.5秒でほほえむ
②さらに時間差で2度ほほえむ
念押しすることで相手の警戒心をとくことができる。
これを実践して大物相手でも自信を持って臨めるようになっていった。
結婚から4年後娘が産まれたときも出産後も仕事を続けられるように励ましてくれた。
ジムさんは積極的に子育てをしてミエさんを応援した。
27年にもおよぶ結婚生活、ジムさんはおととしがんをわずらい69歳で亡くなった。
今ジムさんの遺骨は自宅の居間にある、いずれミエさんも一緒のお墓に入ろうと思っている。